| 自己PR(得意な技術等) |
昭和2年(1927年)、東京・板橋区赤塚の地に産声を上げた「のぐちやBakery」は、まもなく創業100年を迎えようとしています。
その歴史の始まりは、パン屋ではありませんでした。桜の木の下でお酒を提供する小さな飲み屋として出発し、やがて乾物・お菓子・煙草・お酒の販売、写真の現像取次、切手販売、さらには地域に電話が普及する前には電話の取次まで担う「野口地域のなんでも屋」として、赤塚の生活を長年にわたって支えてきました。屋号の「のぐちや」も、創業の地であった「野口」という地域名に由来しています。
パン屋へと大きく舵を切ったのは、3代目の時代。昭和55年(1980年)、当時20代前半だった3代目が下赤塚駅近くで繁盛するパン屋の姿を見て「パンが売れる」と確信し、手作りパンの製造販売を本格的にスタートさせました。その3代目が長年作り続けてきた「焼きそばパン」は、2022年に「板橋のいっぴん」に選出され、お店を代表する名物として今も愛されています。
現在、厨房に立つのは4代目。生粋の赤塚っ子として育ち、松月院幼稚園・赤塚小学校・赤塚第三中学校を経て大学を卒業後、大手旅行代理店や医療系人材会社でキャリアを積んだ異色の経歴の持ち主です。家業を継ぐことは求められていませんでしたが、2020年頃に3代目の体調が優れなくなり、お店の行く末を考えなければならない局面に。「この大切な場所を、屋号を下ろして終わらせるくらいなら」という強い想いから、2021年に継承を決意しました。
パン作りの経験はゼロからのスタートでしたが、師匠でもある父・3代目から厳しくも愛情あふれる指導を受け、父子二人三脚で腕を磨きました。パン作りを始めて5年目を迎えた今では、生地の感触や重さだけで状態を把握できるほどの職人感覚が身についています。二人体制になったことで発酵のタイミングも最適化され、「パンがしっとりやわらかくなった」と常連のお客様からも喜びの声をいただいています。
そして2025年、4代目自身のアイディアから生まれた「当店四代目の賄いパン」が、板橋区民の投票で選ばれる「板橋のいっぴん 区民賞」を受賞しました。余ったパン生地にチーズ・ハム・カレー粉など好きな具材を全部詰め込んで食べていた賄い飯が、そのまま商品化されたもの。クリオロ、中野製菓、ベーカリーカフェマルジューといった板橋を代表する名店と並んで選ばれたこの受賞は、4代目にとって「父の背中に少し近づけた」と感じられる大きな喜びとなりました。
毎朝3時からパン作りを開始し、店頭には日々70種類以上のパンが並びます。手間のかかるピザパン、発酵に5時間を要するパネトーネも、「地域の方に手頃に楽しんでもらいたい」という一心で、親子が毎日丁寧に仕込んでいます。またサラリーマン時代の経験を活かし、保育園・介護施設・老人ホームへの給食提供や、成増・高島平エリアでの出張販売など、着実に販路を広げています。
野口の地で生まれ、赤塚の街とともに歩んできた約100年。老舗の暖簾を守りながら、新しい未来へ挑戦し続けるのぐちやBakeryを、これからもどうぞよろしくお願いいたします。 |